- 徒歩・電車でキャンプに行くから軽量コンパクトな焚火台がいいな
- 小さくてもしっかり焚き火はしたい
- 焚き火料理もしたいから使いやすさも重視
軽量コンパクトな焚火台を探していると必ず出会うことになる「ピコグリル85」。
ピコグリル398の方が有名なのでその陰に隠れてあまり目立ちませんが85もかなり優秀な焚火台です。
僕の2023年買ってよかったキャンプギアランキングでは見事1位を獲得しているほどのギアで一生使っていきたい焚火台。
本記事ではその「ピコグリル85」の魅力をたっぷりと伝えながら実際の使用感にメリット・デメリットを交えつつレビューしていきますのでぜひ最後まで読んでもらえると嬉しいです!
ピコグリル85のスペックと特徴
使用時サイズ:Φ12×14cm
収納時サイズ:25×16×0.4cm
本体重量:82g
総重量:約128g
セット内容はいたってシンプル。
本体と五徳のスピットが一本収納袋に入っているだけです。
パーツがバラバラに入っているわけでもなく出して開くだけで簡単に設営できます。
展開すると筒状になるので風に強く、ウインドスクリーンを持っていく必要がない点も助かっています。
主な特徴としては以下の4点
- 最軽量級の「82g」
- 使いやすいサイズ感
- シンプルな五徳
- 燃料は小枝・松ぼっくりでもいい
最軽量級の82g
一番の特徴といっていいのがその軽さ。
82gは本体重量で五徳になる細い棒状のスピットと収納袋を合わせても128gに収まります。
また軽さもさることながらその薄さも驚愕でどんな隙間にも入ってしまうほど。
なのでバックパックに入れるとちゃんと入れたか不安になるレベルで軽いので荷物の軽量化を考えている人にはまさにぴったりの焚火台だと思います。
僕はデイキャンプにも持っていきますがヒップモンキー2のようなショルダーバッグにもすっぽり入ってしまうので大掛かりな荷物でなくとも持っていく事ができます。
これが結構便利で、河川敷や浜辺に行って流木なんかを拾えればすぐに小さな焚き火ができます。
渓流釣りのお供にも使えますよ。
使いやすいサイズ感
展開すると直径12cm高さ14cmといったサイズ感。
これが地べたスタイルの僕には非常に使いやすいんです。
大きさもコンパクトですし上に向かって熱が行くのでそこそこ近い場所に座っても熱すぎない点が気に入っています。
なので料理にも使いやすく、手を伸ばすために無理な姿勢にもならないので楽なんですよね。
ただ、だからと言って真冬に暖が取れないかというとそんなこともなく、広範囲への熱はありませんが近い場所に座っていればしっかり暖かいです。
どんな焚火台でも背中側は寒いのでその辺の対策はほかの焚火台でも変わらずした方がいいですね。
僕の場合はブランケットをかけたり背面にタープを張って熱をこもらせたりして暖かい空間を作っています。
これで冬でも問題なく過ごすことができていますのでこれからも多分同じやり方で小さな焚火台を使っていくと思います。
五徳もシンプル
五徳も非常にシンプルで一本の棒状のスピットをピコグリルのフチに渡すだけです。
これでピコグリル85本体のフチとスピットが等間隔になるので割と小さなクッカーでも問題なく載せることができます。
僕も実際にミニトランギアやエバニューのチタンマグポット500を載せたりしていますが、問題なく料理することができています。
一番初めは本体がまっすぐなので固定しづらいですが、一回火入れをしてくせがつくとより使いやすくなるのでご安心ください。
燃料は小枝や松ぼっくり
徒歩キャンプで現地で燃料を調達する場合でも小枝や松ぼっくりなどで十分火をおこすことができます。
もともとそういったケースを想定しているため燃焼効率も良く燃え残りも少ないです。
ただそのため燃費は悪く、長時間焚き火をするには大量の燃料を用意する必要があります。
もちろん薪も使えますが見ての通り焚火台が小さいので、薪を折り畳みノコギリやバトニングで細かく割ったものをチビチビ投入していくようなイメージになるかと思います。
なので割と忙しい焚き火にはなりがちですが、少しの燃料でも料理ができるため「現地で薪が拾えない」といった心配をしなくて済む点がいいですよね。
ある意味避難時の備えとしても優秀かもしれません。
ピコグリル85を実際に使った感想(メリット・デメリット)
ここからは実際に僕がピコグリル85を使った感想をメリット・デメリットに分けて書いていきます。
まずまとめると以下のとおり。
メリット・デメリット
- とにかく軽量コンパクト
- 設営撤収が楽
- 料理がしやすい
- しっかり焚き火ができる
- 薪を短くしないとならない
- 完全ソロ用
一つひとつ掘り下げますね。
メリット①:とにかく軽量コンパクト
何度も言いますが82gという本体重量は本当に驚愕の軽さです。
キャンプ道具の中でも焚火台って割と重たい道具に分類されますが、ピコグリル85ならそんなこともなく気軽に持って行けます。
中にはメイン焚火台は別に持って行き、残った炭を灰にするために持って行く人もいるくらいなので、そういった使い方が出来るのもこの軽さが実現可能にしているわけです。
もちろん軽さだけでなくそのコンパクトさもそれを後押ししていてどんな隙間にもすっと入ってしまいますし、なんならギアケースやバックパックについているポケットにも入ってしまうほどのサイズなのでスペースを無駄にとってしまうこともありません。
メリット②:設営撤収が楽
またシンプルな作りになっているため設営と撤収がめちゃくちゃ楽です。
開いて底板をはめ込めばハイ完成。
あとはスピットを上に渡せばいいんですがぶっちゃけなくてもそこまで問題ありません。
火入れをする前はまだ本体がまっすぐに張っているためスピットがないと展開した状態で固定しにくいですが、一度焚き火をすれば展開した形状である程度癖づくのでスピットをはめなくても普通に使えます。
料理をしない場合はスピットを外した方が薪を入れやすいので用途に合わせて使えばOKです。
僕もスピットはあまり使いません。
あと燃焼効率が良いのでほとんどの枝や薪が灰になるまで燃えてくれます。
なのでわざわざ火消しツボやアッシュキャリーなどを持って行かなくても厚手のアルミホイルで十分片付けることが出来ます。
それが結果的に軽量化につながるので一石二鳥なんです。
メリット③:料理がしやすい
焚き火で料理をする人には結構見逃せないポイントになるかと思いますが、このサイズ感が料理に丁度良く、ピコグリル398よりも料理に向いていると思います。
398は割と火からクッカーまでの距離が離れていますし風が吹くと火が暴れて安定した火力を出せないんですが、85なら筒状になっているので風に強く、クッカーに直接火が当たる距離なので安定火力を出すことが出来ます。
なのでしっかり焼かないと怖い豚肉や鶏肉でも安心して料理することが出来ます。
熾火にしてじっくり焼きたい焼き鳥などにも向いているのでどんな料理でも使いやすいのがポイント高いです。
クッカーを載せながらの火力調整も全面の小窓から小枝を入れられますので煮込み料理もいけます。
メリット④:しっかり焚き火が出来る
あとはもちろん焚火台なので焚き火もしっかり出来ます。
筒状なので薪が爆ぜても直接こっちに飛んでくることも少なく、上に何も載せないなら多少大きめの薪もそのまま突っ込んで燃やすことは可能です。
なので小さくてもしっかり暖を取ることが出来ますのでそこは安心してください。
また人によってはデメリットになるかもしれませんが、燃焼効率が良いので結構なスピードで薪が燃えます。
なので長時間焚き火をしたいけど針葉樹の薪しかない場合などはいつもより多めに薪を用意しなければなりません。
僕は翌朝焚き火をしないことが多いので夜のうちにすべて燃やし切りたい派なんですけど、この燃費の悪さが逆にメリットになっています。
いつも薪を使いきれず処分に困っている人にはおすすめです。
デメリット①:薪を短くしないとならない
もちろんデメリットもあります。
軽量コンパクトな焚火台の多くは薪を短くしないと使いにくいです。
ただ細く割っていくのではなく、長さを半分にカットするなどのひと手間も必要で、細くするだけだとあっという間に燃え切ってしまうので焚き火になりません。
なのでノコギリが必須と考えてください。
僕も折り畳みタイプのシルキーゴムボーイ210mmというノコギリを持って行き、半分に薪をカットしてからバトニングで細かく割っています。
ただノコギリで半分にカットした薪は多少太くてもナイフでバトニング出来るので斧を持って行く必要がなくなります。
これはかなりの軽量化になるので僕にとってはメリットでしかありません。
そりゃ斧で薪割りをする方が早くて楽ですが、持って行くまでが大変じゃないですか。
デメリット②:完全ソロ用
ソロ用の焚き火を探しているのでデメリットかと言われるとそうでもないかもしれませんが、いくらソロ用と言っても多少は焚火を囲んで団らんできるでしょ?と思ったら大間違い。
本当にソロ用と割り切って使った方がいいです。
最悪デュオくらいなら何とかなるかもしれませんがファミリー用途では間違いなく力不足です。
暖を取るにも火が小さすぎますし一度に大量の料理をするにも大きいクッカーは載せられません。
なのでこればかりは完全にソロ用ということになりますのでご注意くださいね。
比較対象となる焚火台
当然僕もピコグリル85を購入する前に色々な焚火台と比較しました。
そもそも同じような焚火台の「ファイヤーボックスG2(レビュー記事はこちら)」を使っていたので必要なのかどうかといった部分も含めて4つ焚火台が候補になるかと思います。
ピコグリル85 | ピコグリル239 | ファイヤーボックスG2 | ブッシュボックスXL | |
---|---|---|---|---|
使用時サイズ | 12×12×14cm | 17.5×17.5×18.5cm | 12.7×12.7×19cm | 12.5×12.5×19cm |
収納時サイズ | 25×16×0.4cm | 33.5×19.5×0.4cm | 12.7×19×0.95cm | 12.5×19×1cm |
本体重量 | 82g | 236g | 907g | 775g |
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比較したのは「ピコグリル85」「ピコグリル239」「ファイヤーボックスG2」「ブッシュボックスXL」。
これらの焚火台はいずれも優秀な焚火台です。
ファイヤーボックスとブッシュボックスは定番のネイチャーストーブ(小枝などを燃料にする焚火台の呼称)で人気も高いです。
ピコグリルは398がめちゃくちゃ有名ですがそれ以外のシリーズが意外と知られておらず、割と使っている人も少ないのではないかと思います。
なので人と被らないですし所有欲も満たしてくれますよ。
ピコグリル239はこの中で一番大きな焚き火が出来ますのでちょっとサイズ感が違いますが、85の形状そのままにサイズだけ二回りくらい大きくしたような焚火台です。
正直これでも良かったんですが、398もあるのでそのサイズ感はいらないと判断して85にしました。
ファイヤーボックスとブッシュボックスについてはそもそもファイヤーボックスを使っていたのでその良さは十分に知っていたので、同じサイズ感でより軽量なピコグリル85を選択したというわけです。
ファイヤーボックスG2もレビュー記事を書いています。
ピコグリル85と一緒に使いたいギア
先ほどもちょこちょこと書いてきましたがピコグリル85を使うなら一緒に持って行きたいギアも紹介しておきます。
それは以下の3点です。
- 折り畳みノコギリ
- フルタングナイフ
- 焚き火シート
実際に僕が使っているものを挙げていきますが、別に同じものでなくても大丈夫です。
代わりになる道具があれば全然問題ありません。
折り畳みノコギリ
僕はシルキーゴムボーイ210mmを使ってます。
サイズ感も丁度良くその名の通りゴムのグリップで非常に握りやすくて使いやすいです。
切れ味も抜群で節目のある堅い広葉樹もちゃんと切れます。
何より2,000円前後で変えてしまうコスパの良さ!
もともと庭師さんなどが使う剪定用のノコギリみたいですがキャンプにもピッタリの折り畳みノコギリです。
荷物に制限がなければ折り畳みである必要はありませんので家にノコギリがあればそれで全然大丈夫です。
フルタングナイフ
ノコギリで半分にカットした薪ならナイフでバトニングすれば簡単に割れます。
僕はモーラナイフのガーバーグを愛用していますがバトニングをするならフルタングが安心です。
フルタングナイフは割と高価なナイフになりますが、モーラナイフガーバーグは比較的手にしやすい価格帯なので気に入っています。
ただ絶対にフルタングでなければバトニングは出来ないかと言われるとそうでもありません。
同じモーラナイフでもコンパニオンヘビーデューティーという刃厚がガーバーグと同じ3.2mmのモデルがあるのでそれならもっと安く購入することが出来ますよ。
多分日本中で一番使われているナイフがこのモーラナイフコンパニオンシリーズだと思います。
モーラナイフコンパニオンシリーズとガーバーグについてもレビューしていますのでぜひチェックしてみてくださいね。
焚火シート【必須】
これはピコグリルに限らず焚火をするなら必須と言ってもいいアイテムで直火OKのキャンプ場以外では必ず使ってくださいというルールになっているところも多いのではないでしょうか。
理由は焚き火の熱から地面や芝を保護するために使います。
土ならOKというわけではなく、土でもツチクラゲという菌類の発芽を避けるために使った方が無難です。
キャンプ場以外の野営地では山火事を未然に防ぐことにもつながるので必ず使うようにしましょう。
この記事でそのあたりのことを詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
まとめ:軽量コンパクトな焚火台はピコグリル85で決まり
結論としては「ピコグリル85」はおそらく一番軽量で、かつコンパクトな焚火台といっていいでしょう。
僕はキャンプ・デイキャンプの相棒としてこれからもたくさん使っていこうと思っています。
たまには別の焚火台を使うこともありますが一生の相棒になりそうです。
もちろん壊れたりしてもまた同じものを買うと思います。
そんなに高価な焚火台ではありませんのでバックパックキャンプスタイルの人はぜひ使ってみてください。
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