モーラナイフガーバーグはモーラナイフの中では最上位モデルで唯一のフルタングナイフです。
また他のブランドのフルタングナイフと比較してもコスパがよく、見た目も性能もワンランク上のナイフです。
本記事ではそんなモーラナイフガーバーグのスペックや特性、魅力についてい詳しく解説しています。
僕も実際にユーザーなので細かい部分まで忖度なしでレビューしていきます。ガーバーグが気になっている人はぜひ最後まで読んでいってくださいね。
モーラナイフガーバーグはコスパ最強のフルタングナイフ!
企業としての生産能力も高く、高品質なナイフを安価で提供していることから初心者からも人気ですが、本格的なナイフなのでベテランキャンパーさんからも支持されていますね。
そのモーラナイフの中で唯一のフルタングナイフ、ガーバーグについて詳しく解説していきます。
モーラナイフガーバーグのスペックと特徴
全長:22.9cm
刃体の長さ:10.9cm
刃厚:3.2mm
重量:170g(ナイフのみの重量)
タング:フルタング
グラインド:スカンジ
鋼材:ステンレス(14C28N)
商品のスペック解説
先ほどのスペック情報をもとに、より具体的な解説をします。
サイズ感について
全長は長すぎることもなくバックパックのポケット部分にもすっぽり収まるのでどんなスタイルでも持っていくのに苦になりません。
刃長もグリップ部とバランスがとれたちょうどいい長さなので、バトニングはもちろん切り込みを入れたり加工したりといったクラフト作業にも使いやすいです。
絶妙な刃厚設計
刃厚は3.2mmと他社のフルタングナイフと比べるとやや薄めではありますが、バトニングにも十分使える厚さとなっていて、かつ必要以上に重たくなることもないので荷物の総重量にも大きな影響を与えることなく持っていくことができます。
モーラナイフでは基本的に薪は斧で割る方がいいという考え方なのでこれ以上の厚さを必要としない考えで、コスト面や重量などの総合的なバランスを考慮した刃厚であるということですね。
重量は正義
フルタング構造ということは重量もしっかりとあるのでバトニングだけでなく、チョッピングといってナイフを斧のように使って木の側面を削っていく用途にも使うことができます。
コンパニオンの軽さだとこういった用途ではやや頼りないのでブッシュクラフト用途であるならガーバーグの方が安心です。
ステンレスとカーボンの違いについて
モーラナイフガーバーグを選ぶ際に重要なポイントは刃の鋼材です。
ガーバーグにはステンレスとカーボンがありますが、大切なのは両者の違いを理解して自分の使用目的に合った材質を選ぶということです。
以下の両者の違いをあげます。
- ステンレス
-
ステンレスは錆びにくく耐久性がありますがちょっと砥ぎにくいという特徴があります。砥ぎにくいと言っても砥ぎ方はカーボンと一緒ですがカーボンよりも時間がかかるというイメージですね。料理に使ったり雨の中で使ってもサビの心配が少ないのであんまりメンテナンスに時間と手間をかけたくないという人はステンレス一択です。
- カーボン
-
カーボンはステンレスに比べて切れ味が鋭く砥ぎやすいのが特徴です。その代わり非常に錆びやすく、雨や湿気の多い環境で使うとすぐに錆びます。黒サビ加工というひと手間をかけることで錆びにくい状態にすることは可能ですが、頻繁にメンテナンスしなければならないので、そういったことも楽しめる人には愛着がわくギアになりますね。
切れ味が違うと言っても、キャンプ用途ならどちらもそこまで違いは感じないと思いますのでメンテナンスが楽なステンレスをおすすめします。
僕ももちろんステンレスです。
モーラナイフガーバーグの特徴
モーラナイフガーバーグの特徴については以下の点にポイントがあります。
- フルタング構造
- ナイフの背が90度になっているためファイヤースターターが使える
- 柄尻に鋼材が出ているためそこで木を削ることが出来る
フルタング構造
フルタングと言っていますが厳密にはラップタングと言って鋼材をグリップ材が覆っているタイプです。
もちろんフルタングの一種なので嘘ではありません。
ラップタングになっている理由はスウェーデンの厳しい寒さの中で普通のフルタングの様に鋼材が手に触れるような形のグリップだと凍傷になってしまうからです。
そこまで考えられた仕様からブランドの信頼性が垣間見えますね。
ナイフの背が90度
触ってみるとわかりますがナイフの背も結構鋭くなっています。
あまり強く抑えて木を削ったりすると指を切ってしまうこともあるかもしえれませんが、この特徴を使ってファイヤースターターで火をつけることが可能になります。
かなりの火花を飛ばすことができるので着火もいつも以上にスピーディーに行えるかもしれませんね。
柄尻の鋼材で木を削る
柄尻(グリップエンド)に鋼材が剥き出しになっています。
この部分を使って木の皮を削ったりして着火剤代わりに使うことができます。
ナイフの刃の部分を使って行うことが多いですが、あのやり方はナイフの刃に必要以上の負荷がかかってしまうのであまりやりたくない方法です。
ガーバーグならその心配もしなくていいので色々なやり方で火起こしをしたい人にはぴったりのナイフではないでしょうか。
モーラナイフガーバーグを実際に使った感想
ここからは実際に僕がガーバーグを購入してしばらく使ってみた感想を書いていきます。
品質について
もともとモーラナイフコンパニオンを使っていたのでそれとの比較にはなりますが、同じステンレスモデルですが明らかに質が違うのがわかります。
コンパニオンはツルっとしたイメージですが、ガーバーグは少しマットな感じで高級感があります。
鋼材もコンパニオンの12C27Nではなく、14C28Nというワンランク上の鋼材を使っています。
14C28Nの高級感
この14C28Nはスウェーデンのサンドヴィック社がナイフ用に開発した高品質なステンレスです。特徴は12C27Nよりも錆びにくく砥ぎやすいとされていて、高級ナイフにつかわていることが多いですね。
そして刃の状態も砥がなくてもフェザースティックが簡単にできたほどで、砥げばさらに切れ味が良くなると思うとわくわくします。
使い心地
肝心の使い心地についてはコンパニオンよりも刃幅が高いのでバトニングがしやすく、刃厚も3.2mmで十分かなと思えました。
広葉樹も普通にバトニングできましたし、難しいとされる広葉樹でのフェザー難なく作ることができたので感動しましたね。
グリップ素材はフルタングナイフに多い木製ではなく、高性能プラスチックのポリアミドを採用しています。手によく馴染む素材でデザインも好みなのでとても気に入っています。
ポリアミドは高性能プラスチックの一種で、日常生活の様々な製品に使われています。強度と耐熱性、耐摩耗性で知られており、自動車部品からキッチン用品、衣類まで幅広い用途に使用されています。また、化学薬品や紫外線に対する耐性も優れています。
ガーバーグのグリップにポリアミドが使用されている理由はこれらの特性によります。
強度と耐久性があり手に持ったときの感触も良いため、ナイフのハンドルに適しています。また天候や使用状況による影響を受けにくいのでアウトドア環境でも安心して使用できます。
軽ければいいってもんじゃない
また適度な重量があるというのはとても大切なことなんだと改めて思いました。それはバトニングでも普通に木を削ったりしている時も感じたことで、剛性を感じることができて安心できました。
チョッピングも同じ理由である程度の重さがないとやりにくいのでやっぱり重量は大切ですね。
モーラナイフガーバーグを使うメリット・デメリット
当然コスパ最強のフルタングナイフと紹介しているガーバーグにもメリット・デメリットはあります。
ちゃんと自分で買っているので忖度なしで書いていきます。
メリット
まずはメリット。
先ほどからもいくつか書いてきましたが主に感じているメリットはこちら。
- コスパが良い
- 柄尻が地味に便利
- スカンジグラインドが砥ぎやすい
やっぱりコスパは重要な要素
まずはなんと言ってもコスパが良いです。
普通フルタングの高級鋼材を使ったナイフは3万円近くします。
物によってはガーバーグと同じ価格で手に入れることができるんですが、ここまでの品質とビジュアルは唯一無二だと思います。
モーラナイフ社の生産能力をもって実現しているコストパフォーマンスはユーザーにとっては嬉しいですよね。
柄尻が地味に便利
これはたぶんガーバーグだけの特徴ですがグリップエンドから鋼材がはみ出た作りになっているのでそこを使って白樺の皮などを削ったり、麻紐を擦ってほぐしたりして着火剤代わりにすることができます。
もちろんナイフの刃でもできますが、ナイフの刃はそうした用途には向いていませんし刃がかけたりするリスクがあるので僕はやりたくありません。
あとはナイフの先端を木に食い込ませたりする際もグリップエントをバトニングすることもできますので機会は少ないかもしれませんがそういった使い方もできます。
スカンジグラインドは万能
あとはスカンジグラインドの使い勝手がいいという点です。
何よりも初心者でも砥ぎやすい形状なので切れ味が悪くなったら誰でも簡単にメンテナンスをすることができます。
これがコンベックス(ハマグリ刃)だったりすると砥ぐのにコツが必要だったりするのでスカンジグラインドは初心者キャンパーにも優しい形状と言えますね。
デメリット
食材が切りにくい
忖度なしと言っておきながら、デメリットは正直今のところ感じていません。
強いて言うなら料理には向かないです。
3.2mmという刃厚はブッシュクラフト用途では決して厚いわけではありませんが食材を切るというシーンではやっぱりちょっと厚いです。
トマトを切るのを想像してください。
厚い刃のナイフでスライスできますか?僕は非常にやりにくかったです。
なので僕は別にオピネルというナイフを料理用に持って行っています。
他のナイフとの比較
ここまでモーラナイフガーバーグのスペックや特徴を解説してきましたが、では他のナイフと比較してどうなのかという点についても触れなければフェアじゃねいですよね。
なので同じモーラナイフの超人気ナイフのコンパニオンのと比較や他メーカーのフルタングナイフとの比較をしてみようと思います。
同じモーラナイフのコンパニオンシリーズとの比較
モーラナイフといえばガーバーグよりもこっちのコンパニオンの方が有名だしユーザーは多いはずです。
コンパニオンも2,000円代で購入できる超高コスパナイフなので比較対象としては申し分ないでしょう。
以下に比較表を作成しました。
比較項目 | ガーバーグ | コンパニオン |
---|---|---|
全長 | 22.9cm | 21.9cm |
刃長 | 10.9cm | 10.4cm |
刃厚 | 3.2mm | 2.5mm |
重量 | 170g | 84g |
タング | フルタング | ナロー |
グラインド | スカンジ | スカンジ |
鋼材 | 14C28N | 12C27N |
ここではステンレスモデルの比較をしてみます。
全長や刃長に関してはそこまで大きな差はありません。
ただ刃厚に関してはコンパニオンは2.5mmと薄く作られており、コンパニオンでもヘビーデューティーモデルになるとガーバーグと同じ3.2mmとなっています。
1番の違いはフルタングのガーバーグに比べてコンパニオンはナロータングといって鋼材がグリップの途中までしか入っていません。さらにグリップ内の鋼材はブレードよりも細くなっています。
もちろんそこはモーラナイフ品質ですからコンパニオンでも薪をバトニングすることは可能です。
僕もガーバーグを買う前まではコンパニオン2.5mmのナイフでバトニングしていましたし。ただやっぱりガーバーグのズシっとした重量と刃幅と比較するとその違いは段違いでした。
コンパニオンシリーズのレビュー記事も書いています。
類似商品との差別化ポイント
次に比較的人気の高い他メーカーのフルタングナイフと比較してみましょう。
比較対象は
- モーラナイフ|ガーバーグ
- ジョーカー|エンバー
- ヘレ|ディディガルガル
とします。
ガーバーグ | エンバー | ディディガルガル | |
---|---|---|---|
全長 | 22.9cm | 22.3cm | 24.9cm |
刃長 | 10.9cm | 10.5cm | 12.9cm |
刃厚 | 3.2mm | 3.7mm | 3.0mm |
重量 | 170g | 183g | 193g |
タング | フルタング | フルタング | フルタング |
グラインド | スカンジ | スカンジ | スカンジ |
鋼材 | 14C28N | 14C28N | 12C27N |
このあたりがガーバーグと比較しやすいナイフかと思います。
ただジョーカー・エンバーもヘレ・ディディガルガルもガーバーグよりも高価な価格設定となっているので純粋な比較とは言えないかもしれませんが、個人的には十分に比較できる対象だと考えています。
モーラナイフは生産能力が高いため、高品質なナイフを大量生産できることから価格を抑えることが可能となっております。
ヘレやジョーカーは機械に頼らず職人の技術によって支えられている点が価格に反映されていますが、天然素材を使っているためエイジング(経年変化)を楽しめるのが人気の秘密と言ってもいいでしょう。
ジョーカー|エンバーとの比較
鋼材は同じものを使っており、それだけガーバーグのコスパの良さが際立ちますよね。
違いは刃厚がエンバーの方が少し厚く作られています。あとはグリップが木製なのでエイジングを楽しむことができるので、経年変化を楽しみたい人はちょっと高いですがエンバーが良いかもしれませんね。
あとは好みの問題です。
ヘレ|ディディガルガルとの比較
ヘレにも多くの種類がありますが、ここで比較するのはキャンプ芸人ヒロシさん愛用のディディガルガル。
鋼材はコンパニオンと同じ12C27Nを使っており、ここだけ見るとコスパは良くないと感じますが指の形に合わせたグリップ形状が極上の使いやすさを実現しています。
あとはガーバーグよりもちょっとだけサイズ感が大きいので手が大きい人やバトニングをする機会が多い人はディディガルガルはマッチするかもしれません。
ただやっぱり価格が気になりますよね。
こうした比較でもモーラナイフガーバーグのコスパの良さはずば抜けていると思います。
まとめ:モーラナイフガーバーグはコスパ最強のフルタングナイフ!
結論は見出しのとおり、モーラナイフガーバーグはコスパ最強のフルタングナイフと言っても過言ではないでしょう。
キャンプ用途ならコンパニオンでも十分な性能を有しているので無理にガーバーグを購入する必要はありません。
僕も実際にコンパニオンで困ったことはありませんでした。
ではなぜ買ったのか。
欲しかったからです。
そう、ロマンです。
それだけで買いました。
冗談はさておき、僕のキャンプスタイルがブッシュクラフト寄りになったため、フルタングのナイフの必要性を感じたからですね。
バトニングはもちろん、バックパックキャンプで斧を持っていくのはやっぱり重量的にしんどいので、斧の代わりにハードに使えるフルタングナイフが選択肢にあがりました。
モーラナイフガーバーグはフルタングナイフが欲しいけどそんなに高いのは必要ないという人にはまさにぴったりのナイフだと思いますのでぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
他にもおすすめのナイフが知りたいという方はぜひこちらの記事も読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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