雨や朝露で濡れてしまうことも多いテントのメンテナンスって意外とどうすればいいのかわからないですよね。
本記事ではテントのメンテナンスについて、洗い方やカビが生えてしまった場合の対処方法などを初心者でもわかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてくださいね。
記事を読めばどんな素材のテントでも正しいメンテナンス方法がわかるようになります。
メンテナンスといってもそんなに難しいことはありません。
- テントの汚れを落とす
- テントと付属品を「完全に」乾かす
- 湿気のない場所で保管する
基本的にはこのステップでOK。
撥水性が弱くなったな・カビが生えちゃったなという場合にのみちょっとした対処方法を行うだけなのでぜひチャレンジしてみてください。
テントのメンテナンス|基本的な流れ
テントのメンテナンスには以下のような流れがあります。
- テントの汚れを落とす
- テントと付属品を「完全に」乾かす
- 湿気のない場所で保管する
- 撥水性が落ちてきたら撥水スプレー
- カビが生えたら中性洗剤で拭き取る
基本的にはこの流れでOKです。
難しいことはひとつもありませんのでご安心ください。
この中で最も大切なことは①〜③の部分でキャンプで使った後にこの手入れだけしていればそうそう痛むことはありません。
なのでこの①〜③の手順だけはどれだけ疲れていてもめんどくさがらずにやっておきましょう。
これをサボってしまうと撥水性が落ちてしまったり、TC素材のテントなんかだと最悪カビが生えてしまったりするので大変です。
ナイロン・ポリエステルのテントも濡れたまましまうと加水分解といって生地が劣化してしまってボロボロになってしまうのでご注意くださいね。
加水分解とは
テント表面のコーティング剤として使われているポリウレタンが水と反応して起こる現象のことで、表面がベタベタしてくるなどの症状になります。こうなると回復は出来ません。色々な対処法が紹介されているのも見ますが気休め程度という感じです。
次に基本的なメンテナンスを解説していきます。
基本的なメンテナンス|キャンプで使った後の対処方法
基本的なメンテナンスは先ほどの①〜③のテントを使った後の手入れです。
- テントの汚れを落とす
- テントと付属品を「完全に」乾かす
- 湿気のない場所で保管する
これだけです。
特に重要なのは②「完全に」乾かすことです。
「完全に」を強調したのは意外とこれができていないケースがあるからです。
後ほど詳しく解説しますね。
ちなみにこれらの手順を行うにあたって特別な道具は必要ありません。
どこにでもあるようなものだけで対応できますのでご安心くださいね。
テントの汚れを落とす
まず一つめの『テントの汚れを落とす』ステップではキャンプ場である程度済ませておくと家に帰ったあとが楽になります。
テントの汚れは以下のようなものです。
- 花びらや落ち葉
- 鳥のフン
- 土や砂
- 草
- 虫
テントの撤収はある程度日が出てきてから始めるのがおすすめです。
キャンプ場は標高が高い場所にあることが多いので、朝は霧がかかっていて結構湿度が高いです。
そんな中でテントの撤収を始めてしまうと寝袋を干せませんし、テントの乾きが悪かったりするので先に朝食を済ませるようにして霧が晴れるのを待つといいですよ。
霧が晴れたら撤収を始めます。
時期にもよりますが意外と花びらや落ち葉がテントの表面に付着していることが多いのでまずはこれらを払い落とします。
熟した木の実などの落ちにくい汚れなどがあったら濡らしたタオルなどでふき取ってください。
外側がある程度綺麗になったらインナーテントの中のものを出します。寝袋やマット類は木の枝やリッジライン(木と木の間に張ったロープ)に干します。
そしたらインナーテントの中に入った細かいゴミ(虫なども)を取り除きます。
100均とかで売ってる短いコロコロクリーナーがあるとめっちゃ便利です。
こうしてテントの外側と内側の掃除が終わったら乾燥させていきます。
雨の中の撤収の場合はドライバッグなどに入れて持ち帰ってあとから洗うなどの対応をしましょう。
雨の中のテント撤収はこちらの記事が参考になります。
テントを「完全に」乾かす【重要】
キャンプ場が晴れていて風通しが良ければキャンプ場で乾燥させることもできます。
その場合はテントは張ったまま開放できる入り口をすべて開放します。
このとき一つポイントがあって、通常開放した部分は風でバタバタしないようにくるくる巻いて端っこのトグル(留め具)に留めますよね。
乾燥させるときはトグル(留め具)には留めず、ロープやポールなどを使ってピンと張るようにします。こうすることで本来巻いてある部分も効率よく乾燥させることが出来ます。
家に帰ってから乾燥させる場合
庭があればに庭で干しながら、マンションなどの場合はベランダに布団干しのようなバーを立てて干します。
手すりやベランダの淵に干すのは風で飛んでしまったり、擦れて生地が傷んだりるのでやめましょう。
テントを干して一見乾いたように見えても生地が重なっている部分やベルト、ガイロープなどの付属品、収納袋がまだ濡れていたりする場合が多いです。
保管する際には一緒の場所に保管すると思いますのでこういった部分が少しでも湿っていたりすると加水分解やカビの原因になりますのでテント生地以外の部分までしっかり乾燥しているかは確実にチェックするようにしましょう。
湿気のない場所で保管する
テント一式が完全に乾いたら湿気のない場所で保管します。
湿気のない場所は風通しの良い場所になりますが部屋の中でも問題ありません。
よくYouTubeなどで部屋の壁に棚を組んでキャンプギア一式を並べておいてあるシーンとか見たことありませんか?あんな感じでOKです。
外の物置(倉庫)とかは天気によって温度や湿度の変化も激しいので生地へのダメージが心配なのでやめた方がいいです。
僕は廊下のクローゼットの中に乾燥剤を置いてその中にキャンプギアを収納しています。
基本的に家の中そのものを換気しているので湿気がたまっていることはほぼありませんし、この方法でテントが傷んだことはありませんので参考にしてみてくださいね。
ちなみに防カビ剤はテント生地へのダメージになる可能性があるので使わないようにしましょう。
テントのメンテナンスといってもここまで解説してきた①~③の手入れで十分です。
この後の対応は長期間使ってきて水は時期が弱くなってきたと感じたら行えばOKです。
特別なメンテナンス|撥水性の回復・カビの対処方法
ここからは通常のメンテナンスではなく、『撥水性の回復』と『カビの対処法』について解説していきます。
撥水性の回復にはフッ素系スプレーがベスト
撥水性とは雨が降ったり夜露・朝露など、テント表面に水滴がついた際に弾く度合いのことで、新しいテントや傘、レインウェアなどにみられる水滴が玉のようになってコロコロ転がっていくような状態であれば撥水性が高い状態と言えます。
長期間使っているとこの性能が劣化してきて水滴が玉状になりにくくテント生地に浸透してきてしまうようになります。
こうなると雨漏りとは言わないまでもテント内側に水が浸みてきてしまうので撥水性の回復をした方がいいです。
必要な対応としてはフッ素系の撥水スプレーを使うといいですよ。
撥水・防水スプレーには『フッ素系』と『シリコン系』があり、商品名も撥水だったり防水だったりしますが、それよりもフッ素系かシリコン系かで見分けるようにしましょう。
両者の違いは以下のとおりです。
- フッ素系
-
生地の糸1本1本に撥水性を持たせる効果があり、通気性を維持したまま撥水性能を高めることが可能。油性にも強く汚れが付きにくくなる効果も期待できる。
- シリコン系
-
生地表面をコーティングするため防水性能が高まる。その代わりに通気性が悪くなることもあるため注意が必要。
シリコン系は主に傘やレインコートに使われることが多く、通気性よりも防水性が重視されるものに使われます。
テントの場合は通気性が悪くなると結露しやすくなるため、フッ素系のスプレーを使います。
使うタイミングは晴れている日にキャンプに行った際がベストです。
家でやってもまったく問題ありませんが、テントを張った状態でスプレーした方が圧倒的に楽です。
設営してからスプレーすればキャンプしている間にしっかり乾きますし、ムラもできにくいのでおすすめです。
テントのカビは中性洗剤で落とす
どれだけ気を付けていてもカビが生えてしまう可能性をゼロにすることはできません。
万が一カビてしまったら『中性洗剤』でふき取ります。
特別な薬品や洗剤は必要ありません。刺激の強いものを使ってしまうとテント生地が傷みますし、コーティングも剥がしてしまう可能性がありますのでご注意くださいね。
スポンジやタオル、または柔らかいブラシを使ってカビを落としていきます。車を洗う時のような道具で問題ありません。
テントの生地がナイロンでもポリエステルでもTCでも同じ対応でOKです。
これらの対処で落ちないようなカビは割り切ってプロに任せてしまうのもアリだと思います。
素人が無理やりカビを落とそうとするとテントの生地にダメージを与えてしまう可能性があり、一時的に落とせたとしてもその後また発生してしまったりテントの生地が変色してしまうよりはよっぽどいいと思います。
プロというのはクリーニングサービスのことで、送料も無料ですし中には1年間保管してくれるというものもあるので大型のテントなどがある人はキャンプに行かないシーズンがあるのであれば預けておくのも一つの選択ではないですかね。
一応リンクを貼っておくのでご興味があれば見てみてくださいね。
テントのトラブル|穴・破れ・雨漏りの対処方法
テントの汚れやカビとは別に、傷や破れといったテントへの物理的なダメージや、雨漏りといったトラブルについても対処法を解説していきます。
ここでは以下のようなトラブルを想定しています。
- 穴が開いてしまった
- 破れてしまった
- 雨漏りがする
大体これらのトラブルが多いと思います。
加水分解に関しては前述したとおり回復は不可能と考えて諦めましょう・・・。
テントに穴が開いてしまった場合の対処法
焚火の火の粉などが飛んでしまったり、木の枝にひっかけてという原因で穴が開いてしまうことはよくあることです。
特に気にならない場所でもそこから強度が弱まって大きく破れてしまう危険性もありますので、穴が開いたらすぐに補修するようにしてください。
補修は『補修テープ』を使えば誰でも簡単に穴を塞ぐことが出来ます。
僕もタープに開いた焚火の穴は補修テープで塞いでいます。
おすすめの補修テープは『ゴリラテープ』ですが、2,000円弱とちょっとお高めですがテント以外にも家のいたるところに使えるのでコスパはいいです。
もっと安いのが良いのであれば『Scotchの補修テープ』がいいですかね。ホームセンターとかでも普通に売っていますのでチェックしてみてください。
もちろん他のものでも補修テープなら問題ありませんが、ポイントは防水性が高いものを選ぶということをお忘れなく。
雨漏り対策や補修テープなどを紹介している記事はこちら
テントが破れてしまった場合の対処法
テントの破れ具合にもよりますが、多少の破れであれば先ほどの補修テープでケアするのがおすすめです。
ただし結構な範囲となると流石に素人の仕事では無理があるのでテントの補修サービスを利用する方がいいと思います。
金額次第ではテントを買い替えた方がいい場合もあるので予算との相談にはなりますが、補修サービスもそこまで安いわけではありませんのでテントの購入金額によっては新しいテントを検討するのもアリですかね。
自分で縫うというのも方法の一つかもしれませんが、それは最悪の場合と考えた方がいいです。
テント生地は穴が開くと耐久性が極端に落ちますし雨漏りの原因になります。縫い目にシームテープを貼らないとそこから雨漏りするようになってしまうので注意が必要です。
TCテントなどの場合、つなぎになる同じTC生地も必要になるのでなんだかんだでまあまあな金額が必要になります。
なので僕は目安としては30,000円以上で購入したテントなら補修サービスを使う。それ以下のテントなら買い替えるというように割り切っています。
まとめ:テントのメンテナンスは使った後の手入れが最重要
以上がテントのメンテナンスについてです。
まとめるとこんな感じ。
- 基本的なテントのメンテナンス
-
- テントの汚れを落とす
- テントと付属品を「完全に」乾かす
- 湿気のない場所で保管する
- 定期的なメンテナンス
-
- 撥水性がなくなったらフッ素系撥水スプレー
- カビが生えたら中性洗剤
- テントのトラブル対応
-
- ちょっとした穴には補修テープ
- 破れたら補修サービス
- 予算次第では買い替え
これだけ押さえておけば十分です!
何度も言いますが使った後の手入れがしっかりできていれば他の作業が必要になることがそうそうありませんのでぜひ日ごろの手入れをしっかりしていきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
このブログではキャンプ初心者の「わからない」を優しく解決!をテーマに発信しています。キャンプのことをもっと知りたいという方は、ぜひ他の記事もチェックしてみてくださいね。
それでは!
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