化繊シュラフの中でもちょっと特殊というか軍用シュラフという位置づけで人気の高いSnugpak(スナグパック)というメーカーを知っていますか?
このメーカーはイギリスのアウトドアメーカーで軍用シュラフという位置づけだけあって、実際に世界各国の軍隊に使われています。
なので信頼と実績も十分で実際に僕も使っていますがその性能の高さとコスパの良さには驚きでした。
記事ではスナグパックについて、また僕の選んだソフティーエリート3のスペックと選んだ理由についても解説しています。
冬でも使える3シーズンシュラフを探している人はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
Snugpak(スナグパック)について
Snugpak(スナグパック)は1977年にイギリスで生まれたアウトドアブランドで、軍用利用を前提としているためかなり丈夫に作られています。
実際に世界50ヶ国の軍隊で正式採用されています。さらに「クイーンズアワード」といって別名エリザベス女王賞を2度も受賞しているので実績と信頼性は抜群と言えます。
シュラフ(寝袋)以外にもテントやバックパック・ジャケットなど様々なギアを取り扱っおり、どのアイテムも比較的コンパクトに作られているのでバックパックでの移動でも利用できる点がうれしいですね。
スナグパックのテントは以前キャンプ芸人としておなじみのヒロシさんも動画の中で紹介されていましたね。
ミリタリー寄りのブランドだけあって商品の色味がアースカラーという点も、無骨キャンパーに人気が高い理由の一つですね。
ソフティーエリート3のスペック
それではソフティエリート3のスペックについて解説していきます。
《スペック》
サイズ:長さ220×幅150~175cm
快適使用温度:-5℃
下限使用温度:-10℃
重量:1.600g
収納時サイズ:Φ22×26cm
快適使用温度は-5℃となっており、この温度はスナグパックがユーザーの声を聞き続けながら使用に耐えられえるスペックになっているとのことで、数字だけを基準にしているわけではないそうです。
「軍用だから軍人さんを基準にした快適使用温度なんじゃないの?」といった疑問に対しては「そうではない」という答えになりますのでご安心ください。
下限使用温度は軍用採用されるようになってから表記されているそうで、これは軍人さん基準と言ってもいいと思います。
我々一般人が選ぶ基準であれば快適使用温度を基準にすれば問題ありませんが、寒さに弱い方は+3℃まで耐えられるものを選ぶといいですよ。
ハードな環境下を想定された高機能シュラフ
快適使用温度意外にも以下の特徴があります。
- 外側は頑丈な生地で傷に強い
- 高い撥水性
- 独自開発の化学繊維「Softie(ソフティー)」を使用した中綿
- メタル繊維を使用した体熱利用で保温性抜群
- Snugpak EPS(エクスパンダパネルシステム)でサイズ調整が可能
ざっと並べるとこの様な機能が備わっています。
ハードな環境でも使えるように外側の生地にはリップストップ加工を施したナイロン生地、しかもイギリスのスプレーレートと呼ばれる撥水・防水耐性の基準のレベル4をクリアしているとのことで、高い撥水・防水性能を持っています。(スプレーレート規格は5が最高で5になると完全防水と言っても過言ではないレベルとのこと。)
それでいて透湿性に優れているため中の暖かい空気を保ったまま湿度だけ外に逃がすことが可能で高い快適性を発揮するというわけですね。
中綿には商品名にもなっているSoftie(ソフティー)というスナグパック独自の繊維を使用していて、天然ダウンに近い性能を実現しています。化繊でありながら軽量なのもこのSoftie(ソフティー)が使われているからですね。
Softie(ソフティー)を使っている商品はノン・キルティング加工といって縫い目がないように作られているため、多くのシュラフにみられる「コールドスポット」という冷気が伝わりやすい部分がないというのもうれしいポイントです。
また化繊とは言え、同じ快適使用温度帯のシュラフと比較しても薄く感じるのは「リフレクタサーム」というメタル繊維を使っているからで、体の熱を反射することで効率的に保温効果を発揮するためです。
一見これで大丈夫なの?と思えるくらいの薄さのシュラフですが中に入るとジワーっと暖かくなるのはこのメタル繊維が活躍しているためですね。
そして他のシュラフには珍しい機能かもしれませんが、「Snugpak EPS(エクスパンダパネルシステム)」という機能がついており、中に入って窮屈だと感じたら幅を拡張することが出来ます。
通常使用の際にドラフトチューブになっている部分にファスナーがついており、そこを開放するとチューブ部分が展開してシュラフの中のサイズを25cm前後広げることが出来ます。
これによりかなりゆとりができますので寝苦しさも改善されます。
ドラフトチューブがなくなる分、そこだけちょっと冷気を感じやすいかもしれませんが、首元と顔周りを絞ることで中の空気を逃さないようにもできますので、僕が使っている感じではそこまで気になりません。
さらに220cmの長さがある縦幅も折り返してスナップで固定できますので背の低い僕でも無駄に足先が余るようなこともなく暖かさを効率よく閉じ込めることが出来ます。
ソフティーエリートシリーズのコスパは?
今回紹介しているのはソフティーエリート3ですが、このシリーズは他にも2~5までのナンバリングがあります。
それぞれ快適使用温度/下限使用温度を表にまとめました。
ナンバリング | 快適温度 | 下限温度 |
---|---|---|
ソフティーエリート2 | 2℃ | -3℃ |
ソフティーエリート3 | -5℃ | -10℃ |
ソフティーエリート4 | -10℃ | -15℃ |
ソフティーエリート5 | -15℃ | -20℃ |
現行商品はこの4つとなっていてナンバリングが大きいほど快適/下限温度が低くなっていきます。
この記事では3なので快適-5℃/下限-10℃です。
このソフティーエリートシリーズは上位モデルのタクティカルやソフティーなどの素材を使い、中国で生産することで大幅にコストダウンを実現しています。
高品質な素材を使用しているにも関わらず価格が抑えられたシリーズと言えます。
他の人気ブランドの化繊シュラフと比較したものを表にまとめています。
想定温度 | スナグパック ソフティーエリート | ナンガ アプローチシンセティック | モンベル バロウバッグ | イスカ アルファライト |
---|---|---|---|---|
5~0℃ | 20,900円 | 14,080円 | 19,800円 | 18,700円 |
0~-5℃ | 23,100円 | 19,800円 | ||
-5~-10℃ | 22,550円 | 19,800円 | 22,000円 | 19,800円 |
-10~-15℃ | 24,200円 | 27,500円 | 23,100円 |
こうしてみると他のブランドの化繊シュラフもコスパが良いですね。
僕も当然こうした他のシュラフと比較して悩みに悩みましたが、結果的にスナグパックのソフティーエリート3を選んで正解でした。
その理由についても解説します。
スナグパックソフティエリート3を選んだ理由
僕が他のブランドよりもスナグパックソフティーエリート3を選んだ理由は以下のとおりです。
- 同図ペック帯の化繊シュラフと比較してもコンパクトにできる
- 撥水性能が抜群
- シュラフのサイズ調整が可能(これが決め手)
細かく言えば素材の説明が非常に細かく丁寧な点や実際に世界中の軍隊で正式採用されているという信頼度などもありますが、それは多くの人にとっては重要ではないと感じたため、上記の項目に絞りました。
少し深堀しつつ詳細を解説します。
同スペック帯の化繊シュラフと比較してもコンパクトなサイズ
ソフティーエリートシリーズの収納袋にはコンプレッションベルトがついていて、収納時の表記サイズからさらに圧縮することが出来ます。
僕が他のブランドのシュラフよりも優先した理由の一つにコンパクト性が高いという点が挙げられます。
というのも僕はバックパックキャンプがメインスタイルなのでバックパックひとつでキャンプをするというコンセプトを持ってギア選びをしています。
その中でシュラフやテントというのはバックパックの容量の大半を占めるアイテムなのでその点は重視しました。
同じような使用温度帯のコールマンのコールドウェザーシュラフと比較した画像がこちらです。
さらにコンプレッションベルトで圧縮すると・・・
すごい違いですよね。
これを見たら納得いただけると思います。
シュラフの撥水性能が抜群
表面素材とインナー素材にはイギリススプレーレート規格のレベル4をクリアしているというとにかくすごそうな撥水・防水性能。
スプレーレートはシャワーで水をかけた際にどれくらい染み込むかという基準のようで5は100%防水と言えるほどの性能でその一つ下の4ですからかなりの撥水・防水が期待できます。
そのため結露に強く、中綿が濡れてしまうといったことはありませんので快適に朝を迎えることが出来ます。
僕の場合はテントを使わずにタープ泊をすることが多く、タープも色々な張り方をしますが、基本的にクローズしないで寝ますので多少雨が吹き込んで来たりとハードな環境で寝ることが多いです。
なのでシュラフの撥水・防水性能は妥協できないためソフティーエリートを選びました。
まだ冬でしか使ったことはありませんが透湿性も高いため春先の暖かい時期でも汗で蒸れてしまうようなこともないと思います。
これは実際に使ってみてまた更新しますね。
シュラフのサイズ調整が可能
決め手と言ってもいいのですが、「Snugpak EPS(エキスパンダパネルシステム)」といってシュラフのサイズを調整できるという点が他のシュラフにはない機能で、僕は背は低いですが胸板と腕周りが太く、一般的な人よりも肩周りが太いです。
なのでシュラフの幅を拡張できるというのは非常にありがたいシステムです。
一応、拡張しなくても十分なゆとりを感じますので厚着しなければこのシステムは使わず、ドラフトチューブとして保温性を高めて使うことが出来ますが、着替えを持って行かないときなどはミドルレイヤーのまま寝ることもあるのでそういった場合には拡張して使っています。
それでも首元と顔周りを絞ることが出来るのでゆとりはあっても暖かい空気は逃がしません。
これが非常に快適です。
スナグパックソフティーエリート3の気になる点
スナグパックソフティーエリート3にも気になる点はいくつかあります。
実際に使ってみて感じた点としては以下のとおり。
気になる点
- ちょっと重たい
- 足元の素材が冷たく感じる
そんなに多いわけでありませんが強いて言うならこの2点です。
ちょっと重たいというのは買う前からわかっていたのでそれを考慮した装備ですし、シュラフは優先度の高いギアなので先ほど上げた選んだ理由の方が重要なので良しとします。
一番気になったのは足元の素材が軍用ブーツのままでも入れるように厚手の生地になっているため、他の部分のメイン素材と違って結構ゴワゴワしています。靴下を着用して寝る場合には特に気になりませんが、素足で寝る場合は結構冷たく感じるかもしれません。
このシュラフを使う季節に素足で寝るというケースはあまりないかもしれませんが、中には素足でないと寝ることができないという人もいると思いますので一応記載しておきますね。
どんなシュラフも完全なものはない
気になる点はあるとしても他のシュラフもそれは同じで、どんなに高価なものでも欠点というか気になる点くらいはあると思います。
シュラフだけではありませんが、大切なのはそのギアを自分がどんなシーンで使うのかを正しく認識して選ぶことです。
そうすることで少しくらいの欠点はカバーできますし、工夫を凝らすのも楽しみ方の一つとして色々考えることもキャンプの嗜み方とも言えますね。
まとめ:スナグパックソフティーエリート3は冬でも使える高コスパ化繊シュラフです
結論、「化繊シュラフの中でもスナグパック・ソフティーエリート3は3シーズンシュラフとして非常に優秀です。」
インナーシュラフを合わせれば冬でも十分使うことが出来る性能を持っています。
使っている生地が本当に高品質でまったく風を通さないので熱を逃がしていないことは入ってみるとよくわかるんですね。
その割に蒸れないので不思議な感覚ですが、本当に買ってよかったと思っています。
暖かい地域の冬なら3でも十分だと思いますが、寒がりの人は4を選んでもいいかもしれませんね。
Amazonのリンクならシリーズ共通のページに行って選択できますのでぜひチェックしてみてください。
他にもコスパの良いシュラフ(寝袋)を紹介したまとめ記事もありますのでそちらも参考にしてもらえると嬉しいです。
おすすめの寝具をまとめた記事はこちら
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